【読書記録】「アドバイスかと思ったら呪いだった。」(犬山紙子著)は「女らしく」や「結婚しないと」という呪縛にかかっている女性に読んで欲しい

記念すべき読書記録1冊目!
ハロオタでもある犬山紙子さんの「アドバイスかと思ったら呪いだった。」
アドバイスに見せかけた呪いの言葉「クソバイス」について犬山さんが斬っていく、「スッキリ毒出し」エッセイ。
 
クソバイスとは著者の犬山さんの造語であり、定義は以下の通り。
クソバイス【kusovice】(名)スル
求めていないのに繰り出される、クソみたいなアドバイスのこと。相手のためを思って言っているようで、実は上から目線で持論を押し付けていることだけのことが多い。なお、クソバイスすると大変気持ちが良い。
 
ここで私が過去に頂戴したクソバイスを。
「結局男は上に立ちたいんだからさ、もう少し可愛げがあった方がいいよ。」
ー33歳男性、私に彼氏が出来ないことについての考察
「(ピンチヒッターで呼ばれた合コンで着替える時間もなくパンツスタイルで参加したことについて)こういう場にパンツで来る子って、我が強そうで苦手。もう少し考えた方がいいよ?」
ー31歳男性、合コンでの一言
「コンサルで頭がいいのはわかるけど、本当に賢い女はそれを隠して男をいい気持ちにする女だよ?」
ー35歳男性、特に何も聞いていないのに一言
 
「素直に人のアドバイスは聞かなきゃ!」という考えに基づき、まともにクソバイスを聞いていた時期もありました。が、途中で気がつきました。「これ、押し付けじゃね?」と。「自論を一般論ぽくした押し付けじゃね?」と。
 
こちらの本はそんなクソバイス、計71バイス(単位はバイスでいいのかは謎)を犬山さんがバシバシ斬っていくのですが、スッキリするだけではなく恋愛・人生に役立つコメントが沢山。また、クソバイスをしない為の心構えも書いてあるので、「もしかして私クソバイザー、、、?」という方にもおススメ。(まあ真のクソバイザーは気がつかないだろうけど)
あまり内容を紹介しすぎるのも犬山さんとしては営業妨害になると思うので、恋愛・人生・クソバイスをしないための心構えの3つについて1つずつ犬山さんの秀悦なコメントをご紹介。
 
【恋愛系】
(男は狩猟本能があるんだから、男に好きって言わせないとダメだよ!というクソバイスに対し)
追う追われるって、惚れたか惚れられたかで決定するので、好きと言おうが言うまいが結果は変わらないですよね。好きな人に逃げられたら追いたくなるし、好きでもない人に逃げられても追いかけたくはならない。(中略)好きと言ってダメになる恋なんて、言わなくてもさしてうまくいかないんじゃ……

 【人生系】

(ジャニオタだから彼氏できないんだよ、現実みなよ、というクソバイスに対し)
「オタクは現実を見られないから、アイドルや2次元に逃避している」という前提がまずクソです。現実が見られないからじゃなくて、アイドルや2次元のキャラクターが眩しいくらいに魅力的だからハマってるんだよ!っていう。そして、何かにハマってるときの幸せと言ったらない。犬山個人の見解としては、何かにハマっているかどうかが個人の幸せを左右する気がするくらいです。
【クソバイスをしないための心構えについて】
気がつかないうちにクソバイスをしてしまう人の共通点として「自分の価値観が絶対である」という思い込みがあります。「結婚はしないとダメ」「子供は産まないとダメ」「一人っ子はダメ」「ママは子供のそばにいなきゃダメ」「ママはすぐ仕事復帰しなきゃダメ(NEWクソバイス)」……。自分がそう思う分には良いし、聞かれて意見を言う分にも良い、けれども押し付けるべきではないですよね。
自分がそうならないためにも、たくさんの立場の人の意見を聞くことが大切なんだと思います。当たり前だけどみんな価値観が違うんですよね。そして、その価値観を全部理解しなくても良いし、心に偏見を持ってしまうのも仕方がない。でも「いろんな人がいて、いろんな考え方があって、それは自由だ」という基本原則は守り続けなきゃいけない。
それでもしちゃうこともあると思います。そのときは素直に謝れたらいいですよね。
犬山さんの著書は初めて拝読しましたが、過去自分がクソバイスしたことも認められており、非常に真摯な方だという印象を受けました。人生の岐路に立つアラサー女性(もちろん年齢性別関係なく、ですが)はクソバイスを受けたことも少なくないのではないでしょうか。過去クソバイスを受けたことがある方、是非読んでみて気持ちを軽くしてみてください。